めっきについて
めっきは日本語?外来語? “めっき”それとも”メッキ”
めっきの技術で有名なのは、「奈良の大仏」(752年東大寺の大仏建立)です。
その当時は、電気めっきと異なり、金を水銀に溶かした金アマルガムを、鋳造された青銅製の大仏に塗布し、これを焼いて水銀を蒸発させ、表面に金のみを残すという方法(焼成法)でした。
水銀に金が溶けて消滅したように見えることから、この方法を”滅金”と称したり、金アマルガムを塗布することから”鍍金(ときん)”と称したりしました。
この言葉が長い年月を経て、”めっきん”=”めっき”あるいは”塗金”=”鍍金”と変化していくのですが、江戸時代に出版された、今で言う百科事典には、「鍍」を金めっき、「鋈(よく)」を銀めっきというと記されています。
「鍍(鋈)は金(銀)を以って物を飾るなり」-これが装飾めっきの源流です。
この水銀を利用する焼成法は江戸~明治初期と鍍金師あるいは飾り職人たちに引き継がれ、刀剣や仏具、かんざしなどを金や銀で飾りました。
一方、電池を使って金めっきを行う、現在の電気めっきの雛形は江戸時代末期にオランダから伝来したとされ、薩摩藩主・島津斉彬公が自らの手でめっきしたと伝えられています。
明治も中期になると、電気めっきを看板に掲げる町工場も出現し始めます。
つまり”めっき”という言葉は立派な日本語なのです。
というわけで、電化皮膜工業では、めっきはひらがなを使用しています。
また、アルマイトとめっきを漢字で表現する場合には下記のように書き分けております。
めっき被膜:めっきは、表面に服をかぶせるだけなので、被(ころも)を使用。
アルマイト皮膜:アルマイトは、アルミ表面を溶かして生成するので、皮を使用。
電化皮膜工業では、アルマイトをメインとしていたため皮となっています。
お間違いなく。
弊社のこだわりのひとつです。
「めっき」 基礎のきそ 8ページ プレーティング研究会 著